「なんか、面白そうだから」
面白くないのに、そうは思っても紗綾には言えるはずがなかった。
何とか理由を考えなければと思うものの、すぐに気の利いた理由を考え付くのなら、これほど苦労はしていないはずだった。
「ねぇ、先輩、名前は? 何年?」
「月舘紗綾。二年だよ」
最早、ペースは彼のものだった。
「ふーん、紗綾先輩ね。俺は榊圭斗、圭斗って呼んでください」
「圭斗君?」
馴れ馴れしい圭斗に特に嫌悪感もなかった。
本人がいいなら……、とさえ思ってしまう。
生贄は確保しなければならないが、そうしてはいけないように思う矛盾が紗綾の中に存在するのだ。
「んじゃ、部室に案内してください、紗綾先輩」
圭斗はすっかりその気になっているようだった。
どうせ、部室に行けば二人の悪魔がいる。
結局のところ、判断するのは紗綾ではない。本人も生贄になると言っているのだから、連れて行くしかないだろう。
面白くないのに、そうは思っても紗綾には言えるはずがなかった。
何とか理由を考えなければと思うものの、すぐに気の利いた理由を考え付くのなら、これほど苦労はしていないはずだった。
「ねぇ、先輩、名前は? 何年?」
「月舘紗綾。二年だよ」
最早、ペースは彼のものだった。
「ふーん、紗綾先輩ね。俺は榊圭斗、圭斗って呼んでください」
「圭斗君?」
馴れ馴れしい圭斗に特に嫌悪感もなかった。
本人がいいなら……、とさえ思ってしまう。
生贄は確保しなければならないが、そうしてはいけないように思う矛盾が紗綾の中に存在するのだ。
「んじゃ、部室に案内してください、紗綾先輩」
圭斗はすっかりその気になっているようだった。
どうせ、部室に行けば二人の悪魔がいる。
結局のところ、判断するのは紗綾ではない。本人も生贄になると言っているのだから、連れて行くしかないだろう。

