舜が女を抱えた。 俺はそれを見てとっさに 「舜。つれていくぞ。かせ」 そういっていた。 言って自分でも驚いているのがわかった。 周りのこいつらも驚いているようだ。 「おい、早くしろ。」 「おぉ……わりぃ。」 俺の手に乗ったこの子は、ひどく冷たく震えていた。 俺は足早に車に向かって歩き出した。 後ろであいつらの驚いているであろう声が聞こえる。 奏が走ってきた。 「悪ぃ。ドアあけらんねぇーよな。」 そういって車のドアを開けた。 「あぁ。 ありがとう」