時計を見ると30分経っていた。 早く行かなきゃ。 あたしは急いで教室を出て芸能科の校舎に向かった。 滝沢先生にファイルを届けて、早く2-Aに行かなきゃ。 職員室を出ると、あたしは走って階段を上った。 ――ドンッ 「いっ、たたた…」 急いでて誰かとぶつかってしまった。 「ご、ごめんなさい」 「いや、大丈夫」 あたしは、その声を聴いてぱっと顔を上げた。