「今日は送ってくれてありがとう。じゃあね」 あたしは、マンションに入ろうとした。 「ちょっと待て」 と、同時に腕をぐいっと引っ張られた。 「わっ、な、なにす…」 ――何が起こったかわからなかった。 目の前にはドアップの遥斗。 一瞬の出来事だけど、スローモーションのようにも感じた。