きっちり結ばれた三つ編み。
何の変哲もないメガネ。
膝した10センチ以下のスカートは
むしろ、恐ろしさを醸し出している。
「よし!OKっと!
今日の朝ご飯は何かなー♪」
あたしの名前は佐々木林檎[ササキリンゴ]っていいます!
みんなからは委員長って呼ばれてます。
あたしのモットーは…
『規則、破るべからず!』
これはお父さんが教えてくれた。
これを守るためにあたしは
遅刻0!
校則違反0!
居残り0!
課題忘れ0!
その他諸々…
みんなには少し恐れられてる。
元々あたしの学校は名門校で
信頼も厚いらしく…
校則は緩いんだけど
スカート膝上だなんて恥ずかしくて
ムリムリっ!
学校は家から10分とかなーり近い!
半分はこれがお目当てで入学しました!
おっ、今日も1番のりだ♪
この静まり返った教室が大好きなんだ。
あたしの席は一番後列の窓際。
木漏れ日がさしこんでくる最高の場所!
先生の信頼も厚くキープしてるから
3回連続でこの席なんです!
次の席替えはいつだろう…
あ、だんだん人が入ってきましたね。
今日の遅刻は誰でしょう?
あたしは学級委員長だから
毎日細かくチェックしております!
もう少しで8:30の鐘が鳴りますよ。
ーーキーンコーンカーンコーン
ほらね?
「っとー!滑り込みセーフッ!」
「はい、ダメですね。3秒遅刻です。」
「委員長厳しすぎー!いいじゃんか
3秒くらいよぉー…」
「相田凪斗 3秒遅刻っと…
だから、鐘が鳴り終わる前に
着席してくださいって、あたしずっと
言ってますよね!?
って本当は鳴る前だけど…」
「はーい。ったくもぉー!
俺は朝が苦手なの!」
そう。この人こそあたしの天敵、
相田凪斗[アイダナギト]くんです。
何度遅刻したことか…
毎回名簿書くのも疲れるんですよ?
栗色の髪の毛に
鼻筋はすぅっと通っている。
目はバッチリ決まった二重に
吸い込まれるような茶色。
こんな子供らしい顔とは裏腹に
目元のホクロがセクシー…らしい。
要約すると…
思わず見惚れてしまうような顔立ち!
案の定女子からの人気は半端じゃなく、
他中からも女の子が見にくる時も
あるくらいなんです。
だ・け・ど!
あたしは正反対のこいつが
大嫌いなんです!
今の席はなんと隣だし、
授業中もすっごくうるさいんです!
席替えが待ち遠しい…
この時あたしは
自分自身が遅刻をするなんて
考えてもいなかった。