「え~っと、とりあえずこんなものよね?」


広い広いVIP部屋の荷物をまとめるのに、時間はあまりかからなかった。


もともと物を持ってきてないため、直ぐに詰め終わった。


だって、休日に買い揃えたらいいと思って必要最低限の物しかもってきてないし。


まだ買い物に行ってないから荷物少ないし。



「ピンポーン」


ドアのチャイムが鳴り響く。


タイミング良くなった来訪者を知らせる音に、私はパタパタと出迎えに行った。


「準備おーけー?」


ひょこっと開けたドアから顔を出したのは弥彦。


ベビーピンクの前髪をちょこんとちょんまげに結んでいる。


「えぇ。大体終わった。荷物運んでもらえる?」