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「恋羽、寂しいよ」
泣きだしそうな声で絞り出された本音。
「ゆ、うり…ぐすっ」
「なんで恋羽が泣くかなぁ?」
「だって!悠里泣きそうだもん…!」
「泣かないよ、俺」
そう言って私の流れる涙を綺麗な指ですくい取る。
「嘘だよ。悠里は絶対泣かないからっ私が、代わりに泣いてあげてるのっ」
鼻声でグズグズした声はなんとか悠里に伝わった。
そして
「ありがとう恋羽。恋羽が代わりに泣いてくれるから寂しくなくなる」
壊れ物を扱うようにそっと、そっと
優しい腕で私を包み込んでくれた。
「悠里…「恋羽。ありがとう」
彼は分かって私の言葉を止めるのだろう。
言いたいことは大人しく飲み込んで代わりに
「歌って?そしたらきっと寂しくなくなるよ、私と一緒なら」
そう言って私と悠里は共に歌うのだ。
きっと私も悠里も気付いてる。
壊れるのに時間は掛からないことを。
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