「しかし…何を言われてそんな事になったんだ?」
海翔はサラッと私が敢えて触れずに遠まわしに説明しなかった“原因”を訪ねてきた。
「………」
「いや、いい。言いたくなんだろ?言わなくていい」
押し黙る私に変わらず優しい声をかけ、ポンポンと頭を撫でてくれた。
このまま、甘えたままでいいのかな?
海翔の優しさに漬け込んでいいのかな?
私の中で小さく疑問が生まれ、話してみようと思ってしまう。
でも…
「…どうした?」
「ううん。なんでもない」
不意に合った瞳を見つめると言葉が出なくなる。
きっと私、彼に嫌われたくないみたい。
綺麗なままの“天使”でいたいから。
出かけた言葉をぐっと飲み込んで私は静かに彼の優しさに漬け込もう。
きっとこれが、今の最善策。
狡くて醜い私を知らないで。
どうかこのまま、優しいままで。
そう思ってしまった私の心、これは何と表せばいいのか。
「…ありがとう」
海翔に聞こえるか聞こえないか微妙な大きさで感謝を伝えていた。

