まぁ…彼女いるんだし…ね?

私は肩を落としながらチョコの匂いが漂う教室をあとにした。

――――――
――――

誰かが私を撫でている。
ふわふわと柔らかく…優しく…
どこか懐かしい感覚になる。

誰だろ…

心地いい暖かさ…

その正体が知りたくて

私は現実へ自分を引っ張った。

「ん…っ…」

ガタッ…

その瞬間、私のそばにいた誰かが席を立った。

「まって…誰?」

まだ覚醒しきってない頭をフルに使って目をこらした。

「蓮?」

やっとわかったと思うと…それは蓮だった。

「理華…」

「なんで逃げるの?いいじゃん…もう気まずくなりたくないよ…せめて普通に話そうよ…」

やっぱり私のこと嫌い…なのかな…

「ごめん…なんか俺が意識しすぎたな…」

「ううん…」

「そういやなんで図書室で寝てんだよ」

「あ、眠くて…さ?」

眠かったってゆーか、教室にいたらなんか気分悪くてね…ほとんどの皆がホワイトデームードなんだもん。

「そ。」