蓮…side

「れーーーーーん!」

「ん?って…ちょ、おい!」
ドシンッ…

いきなり突進してきた梓のせいで俺はバランスを失い梓とともに倒れ込んだ。

「蓮っ…」

「さっさとおりろ」

言葉にはできねぇけど、わりとおもいんだよ…

「んもぉ~…彼女なんだからちょっとくらい優しくしてよね~っ」

「は?お前が勝手に告白してきたんだろ…」


「っるさいなぁ。てーか、梓ねぇさっき理華ちゃんと会ったよ?」

は?

「理華と?」

なんでわざわざ?

「可愛かったなぁ…めっちゃ可愛かった。梓じゃ叶わないくらい…」
梓は自傷気味に遠目で笑う。

「なに吹き込んだ?」

「やだなぁ~…もぉ!いい彼女を演じてきたんだよんっ♪」

「……」

そう。梓は裏表がある。
俺以外には守ってあげたくなるような女子を演じて、俺には素の梓をさらけ出す。

ここが難しいところ。

梓のせいでどれだけ大変だったか。

「まーぁ…これじゃ元に戻ることはないよねぇ~…ふふっ」

「可愛い顔して相変わらず汚ねぇよな…お前」

「いいもん。蓮がいれば…」