「なーにやってんの」
真理の 呆れた声がする。
「あ、ごめん」
かけよる真理。
「そんなに広田のこと好きなら告ればいいのに」
「無理だよそんなの」
「どうして?よく話すんでしょ?広田って女子とはあんまり話さないのに、愛とは話すってことは嫌いではないでしょ」
「でも」
「ちょっとぉ、お二人、コート使わないんなら私たちが使うけど、いい?」
おっと、先輩だ。
「すみません。どうぞ使ってください。」
私たちはコートを出て木陰に移動した。
「何がでも、よ。広田は案外女子からの人気あるよ。そんなんじゃとられちゃう。広田と帰り道一緒に手繋いで帰って別れ際にキスとかしたくないの?」
「キ、キスなんてそんな滅相もないよー!話ができてる今が幸せです。」
「じゃあ何、広田の恋人になりたくないの?」
「うう。そりゃ私だって広田と、その、こ、恋人?になれたらうん、いいなって、思います」
「ほら。決まりね。じゃあ、土曜の試合、愛が買ったら広田に告白。」
「ええーー!!そんなの無理だよ何勝手に決めてんのよ!!」
「広田の前でもその勢いで行きなさいっていつも言ってんじゃない。猫かぶり」
「猫かぶってなんかいませーん。シャイガールです」
「ま、土曜は広田呼んどくわ」
「ちょ、ちょっと」
行っちゃった。