side愛
「バイバーイ」
広田に手を振って教室を出た私は、すぐにテニスコートに向かった。
「おっしゃー、今日もやるぞー!!」
テニスコートへ行くと、すでにホームルームが早く終わったらしい1年生が基礎練習をしている。
「よし、私も早く準備しないと」
私は更衣室へ向かった。
ここの高校は、女子テニス部が強い。
全国でもトップを争うほどの強豪校だ。
何としてでもテニスで全国優勝したかった私は、高校2年の春、ここへ転校した。
早いなー、もう4ヶ月も前のことか。
「初めまして。
高瀬愛です。
今日からここへ来ることになりました。
よろしくおねがいします。」
緊張しながらも、新しい学校生活にわくわくしていた。
クラスのみんなが私を見つめている中、一人だけ窓の外を見やる男子生徒がいる。
栗色でウェーブがかかった髪、切れ長の目。
端正な横顔は一瞬見とれてしまう。
へえ、あの人、とっても綺麗な顔してるなー。
窓の外に何があるんだろう?
「じゃあ高瀬さん、一番後ろのあいている席に座って。そう、広田くんの横。」
「はい。」
広田くん、か。
どんなひとなんだろう。
「高瀬愛です。よろしく。」
「ん。」
「広田...くんだよね?」
「ん。」
「ねえ、窓の外に何かあるの?」
「...ミーシャだよ。」
「え?」
「この学校に住みついている猫。」
それだけ言うと、広田くんは机に突っ伏した。
ふーん。猫なんかいるんだ。
にしてもこの人、自由だな。
「バイバーイ」
広田に手を振って教室を出た私は、すぐにテニスコートに向かった。
「おっしゃー、今日もやるぞー!!」
テニスコートへ行くと、すでにホームルームが早く終わったらしい1年生が基礎練習をしている。
「よし、私も早く準備しないと」
私は更衣室へ向かった。
ここの高校は、女子テニス部が強い。
全国でもトップを争うほどの強豪校だ。
何としてでもテニスで全国優勝したかった私は、高校2年の春、ここへ転校した。
早いなー、もう4ヶ月も前のことか。
「初めまして。
高瀬愛です。
今日からここへ来ることになりました。
よろしくおねがいします。」
緊張しながらも、新しい学校生活にわくわくしていた。
クラスのみんなが私を見つめている中、一人だけ窓の外を見やる男子生徒がいる。
栗色でウェーブがかかった髪、切れ長の目。
端正な横顔は一瞬見とれてしまう。
へえ、あの人、とっても綺麗な顔してるなー。
窓の外に何があるんだろう?
「じゃあ高瀬さん、一番後ろのあいている席に座って。そう、広田くんの横。」
「はい。」
広田くん、か。
どんなひとなんだろう。
「高瀬愛です。よろしく。」
「ん。」
「広田...くんだよね?」
「ん。」
「ねえ、窓の外に何かあるの?」
「...ミーシャだよ。」
「え?」
「この学校に住みついている猫。」
それだけ言うと、広田くんは机に突っ伏した。
ふーん。猫なんかいるんだ。
にしてもこの人、自由だな。

