スーパーヒーロー

8番目に食い込んで、そのオーディションにお目当てのDJはいなくて、
ちょっと腹が立った。


「お仕事は…? 学生さんはダメなのだけど…。」

中央にメガネをかけた、小太りの中年がいる、威張っている、好きになれない…
「16~7くらいに見られますが、実は大学院生です…」
質問してきたのは中年を挟んだ両側の女性の背の高いほうだ…

「隣町の、バンドのメインボーカルとしてライブステージに立っています。ミュージシャン志望です。」
「まぁっ…そうですか、バンドですか…?」


「現在、クライアントとの仮契約を結んでいまして、情報漏えいにつながりかねないので
これ以上は発言しかねます…」

「わかりました…ライブ活動に励んでおられるミュージシャン志望の方はDJアシストとして有利な条件です…」

質問してきた背の高い女性はタイプではない、そもそも、もう一人のほうともっと話がしたかったが、なんだか不機嫌そうな態度で話したがらない、

どこまでも気にかかっていた。

そもそも、ナンパの場ではないのだから、関係ないが、
ちょっとタイプだったので気にかかっていた。