背中に口付け 短編











あたしは「ふう」と息を吐いて

左の角を曲がった




大通りに出てタクシー拾おう

これで諦めてね、ストーカーさん




あたしは手を上げてタクシーを

止めて家の住所を告げた



「……亮太郎なんか……」





亮太郎の許してくれよ、も

聞き呆れるほど聞いたけど


あたしの亮太郎なんか、も

何回目だろ、言うの





あたし達、別れた方がいいの…?