蘭蝶Ⅳ

優里「…そうだよね。

うん。少しずつだけど、あたしもう逃げないよ。

ちゃんと向き合う」


しばらくの沈黙のあと、優里がそう言って顔を上げた

そのときの優里の顔は、どこかふっきれた顔をしてた


優里「…でもね?

あたしも一つ質問していい?」

桜「ん?何?」

優里「沙希ってさ…あたしたちに何か隠してるでしょ。

あえて言うなら、心の深い部分で壁を作ってる。

一定のとこまでならオープンにしてるけど…

本当に重要なとこ。

心の深いとこで壁を作って踏みこませないようにしてる。

しかも、それをうまく悟られないようにしてるでしょ」

桜「え…?」


なんでそれを…

今までそれに気付いた人はいなかった

…いや、今まででここまで仲良くなったのが優里たちだけだったから

だから、今まで気付かれなかっただけかもしれないけど


優里からその言葉が出てくるなんて思わなかった


優里の言ってることはあながち間違ってない

あたしは壁を作ってる

でも、これは“必要な壁”だとあたしは思ってる