蘭蝶Ⅳ

椿は、あたしが椿のことを嫌ってると思ってる

…本来なら、逆なのに

あたしが、椿から嫌われててもおかしくないのに


椿「前の家のときは、2番目の家…

西條の家の人とも会えたの。

すごく、あたしの気持ちを尊重してくれる人だったから。

でも、桜と会うことだけはなかった。

あたしが聞いてもみんな口籠るのよ。

…多分、あたしに言えないようなことだったのでしょうね。

途中から、聞くのをやめたの。

そして…今の親になってからは、会うことができなくなった。

あたしの今の家のこと、分かる?」

桜「…有名な政治家、でしょ?」


牧園という名字は珍しい

牧園家は最近勢力をつけてきた政治家だ

そして、牧園夫妻には子供はいない


椿「あたし、自分で言うのもなんだけどさ。

なんでもそつなくこなすタイプなの。

西條の家でいろいろ教えてもらえたし。

それで、今の親は有能な子供がほしかった。

将来、自分の跡継ぎとするために。

そして、自分の子供が優秀だと周りからも評価が高くなる。

まあ、あえて言うならあたしは飾りものかしらね。

自分たちの価値を上げるための」


椿の言葉に息を飲む

椿の言い方は冷静で…全てを諦めた言い方だった