蘭蝶Ⅳ

桜「そういうモノって、不良のこと?

優里は不良が嫌い?」

優里「…ねえ沙希。あたしの言ってること、聞いてた?

あたし、“聞かないで”って遠まわしに言ったって分かんなかった?」

桜「ううん。分かってるよ」


優里の触れてほしくない、心の闇

そのキーワードが“不良”ってことぐらい嫌でも伝わってくる


優里「なら、なんで聞くの?

人の心の傷えぐって楽しいの?」

桜「優里。あたしは別に心の傷をえぐりたいわけじゃない。

今の優里はいつも笑ってるけど、心からの笑顔じゃない。

いつも笑顔の裏で何か別のことを思ってる。

…きっと、その心の傷に関することを。

あたしは、優里の心からの笑顔がみたいの」


優里「いい加減にして!!

心からの笑顔って何?

何でも知ったようなこと言わないで!

沙希には何も分からないでしょ!?

あたしは不良なんて大っ嫌いなの!」


優里はそれだけ言うと、屋上を出ていった

バタバタバタバタ

階段を駆け下りて行く音が除々に遠ざかっていき、屋上にも静寂が流れる