「侑哉くんっ、やめてっ・・・」
必死に抵抗するが、一向に侑哉くんが退ける気配はない。
侑哉くんが喧嘩するところ、見たことないけど、こんなに力強いんだ。
「侑哉っ、てめぇっ・・・」
秀太郎と竜くんが叫ぶが、縄のせいで身動きがとれないでいる。
「っ・・・」
侑哉くんは、私の頬を抑え、強引にキスをする。
侑哉くんの片方の手は、私のパーカーのチャックをゆっくり下ろしていく。
やめて、怖いよっ・・・
「ゆ、や・・・くんっ・・・」
侑哉くんの手は、私の服の中へ侵入しようとしたところで、ピタッと止まる。
「なんで・・・」
侑哉くんは弱々しく呟く。
「なんで、いつもみたいにキレないんだよっ。
早くキレて、僕を殴ってよ。
僕こんなに酷いことしてんのに・・・」
侑哉くんは、
泣いていた。
「・・・なんで、キレないといけないの?
侑哉くんは私たちの仲間じゃん。
殴れるわけないよ。」
侑哉くんは、驚いた顔をする。
さっきまでの冷たい瞳とは違う、いつもの侑哉くんの優しい瞳。
「だって、
侑哉くんは脅されてやってるだけでしょ?」
私は侑哉くんに微笑む。
「きっと、
言うこと聞かないと、私がトップをしてるってことを、学校にバラすって。
そう脅されたんだよね?」
侑哉くんは、視線をそらす。
「馬鹿。
私を守るために、嫌なことしなくていいんだよ。
侑哉くんの大好きな居場所、諦めなくていいんだよ。」
侑哉くんは、ポロポロと涙を流す。
「僕、ぼく・・・・」
侑哉くんは、私の上から退け、土下座をする。
「ごめん、ごめん・・・」
「頭あげて?
大丈夫。
みんな、侑哉くんのこと信じてたから・・・」
「え?」
「侑哉、俺らが仲間であるお前に騙されると思うか?
お前、今にも泣きそうな顔して、似合わない演技してんじゃねーよ。」
秀太郎が、そう言って微笑む。
「侑哉、早くこの縄ほどいてくれないか?
さっきから食い込んで痛い・・・」
竜くんも微笑む。
「なんで、頼は、僕が演技してるって気づいたの?」
「だって、電話してくれたでしょ?
一人で帰るなって。
そこでおかしいなって思った。
あとね、私を呼び出すメール・・・」
私は携帯を取り出し、侑哉くんに見せる。
「もし侑哉くんだったら、丁寧に地図つけてくれたでしょ?
私、BRAINなんて聞いたことないし、アジトの場所なんて、尚更知らないもん!」
ここへ来るために、どんだけの不良に話しかけたか。
男が男をナンパしてるみたいに見えたのか、周りの視線の痛さ・・・
「頼・・・」
「ん?」
「ありがとう」
侑哉くんは、ニコッと微笑んだ。
