「あの試合の日以来、海斗には会ってない。」
そう言う竜くんの瞳は、なんだか寂しそうで。
「あいつのせいで、俺の夢は潰された。」
いつもの竜くんからは想像つかないくらい、怖い声で怒鳴った。
「嫌なこと思い出させて、ごめん・・・」
「あんたのせいじゃない。
・・・悪い、頭冷やしてくる。」
竜くんは、一人で外に出て行った。
「竜のやつ、許せないんだろうな、神崎を。」
秀太郎は、竜くんの出て行った方を見ながら言った。
「でもさ、おかしいよね。」
「頼?」
「その、神崎は、
なんで殴ったんだろ・・・
しかも竜くんの相手だよ?
肩が触れたくらいで喧嘩するくらいなら、とっくのとうに喧嘩して、レスリングなんてやめてると思う。
きっと、何かあったんじゃないかな?」
「何かって?」
「何かは分からないけど・・・
でも、竜くんと神崎は、
話し合うべきなんだと思う。」
このまま、すれ違ったままは駄目だと思う。
絶対に。
