「もしもし。」
「ゆめ!どこいんのよ!?
洗濯物が残ってるし、頼もうとしたら
いなくて、部屋見たら…物ないし……」
「意外だね~。一番乗りは雪ねぇかぁ。
うん、あのね、家出した!ってことで
皆で家事とか頑張って~。
じゃ、私は忙しいから。」
そう言ってさっさと切った。
そして、電源を落とした。
今日中には家族に知れ渡るねー。
でも雪ねぇも心配なのは私じゃなくて
私がしていた家事の方なんだけど。
「ゆめ、大丈夫?」
「ん?何が?アイス食べよっ!」
本当は香織が心配して
くれてるのなんてわかってる。
けどこんなとこで弱音は吐きたくない。
香織も気づかないフリをしてくれた。

