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ゆっくりと手を離し、
顔をあげた。

『見えました。』

「どうでしょうか?」

圭子さんは、不安そうな表情をして、
あたしの言葉を待つ。

『一つ助言させていただきますと…』

「はいっ。」
圭子さんは息をのんだ。

『期待できると思います。』

「ほんとうですか!」
圭子さんの表情は、
ぱあっとみるみる明るくなった。

『お父様も、圭子さんの頑張り
次第では、了解してくださるかと
思います。』