あたしはとっさに、
鞄に入れてあった、冠に布を付けたような占い師帽子をかぶった。

『あ、もう大丈夫です!』
《そうですか?》

ガチャ

『御無沙汰してます。』
「お久しぶりです。すみません、
ご連絡も無しに…」
『いえいえ、そんな…』

「立ち話もなんですから、
カフェにでも。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

『それで、結婚式の方は…?』

「明後日です…」

『そうですか…お父様は?』

「それが…あの、
まだ認めてくれなくて。
急がないととは思うんですが…」