「お待たせしました〜。」
診断室はちょっとした小部屋。
ちょうどあたしとお客さんとテーブルで
いっぱいになるくらいで、所長室の隣にある。
「では、診断を始めます。
お名前は…」
『渡辺圭子です。
診断して欲しいのは、
三ヶ月後なんですけど…」
あたしの顔の部分から胸までは
ついたてがあり、
手だけを出せる様になっている。
「わかりました。
三ヶ月後、なにがあるんですか?」
『あの…彼氏と結婚するんです。
三ヶ月後に。それで、
うまくいくのか…』
「わかりました。目を閉じて下さい…」
あたしは渡辺さんの手を握った。
あたしの未来予報の方法は、
その人の手を握ること。
人によって、握手したり、
抱き合ったり、念じたりと、
方法は様々なんだって、
お母さんから教わった。
「三ヶ月後は…」



