「さあ、着いたわよ。…大丈夫。あなたが考えてるような事はしないから。車を降りてちょうだい。」 浅野さんは微笑しながら言った。 その笑顔は本物か、などと 考えてしまうくらい、 マリは警戒していた。 「…はい。」 でも、浅野さんが悪い人には見えないし、大丈夫だと言ってくれている。 私に他の選択肢はない、そう考えた上での返事だった。