私たちの言葉に、一粒の涙を流すみっくん。
「みっくん、泣かないで」
私はギターを取り出しながら話す。
「私、みっくんを笑顔にするために、ここに来たんですよ」
ジャーンと鳴らすと、みっくんは不思議そうな顔をする。
「みっくん。私の名前の由来、覚えてますか?」
私の言葉に頷くみっくん。
「"みんなの幸せを望む天使のような子に育って欲しい"」
「だから私、みっくんの幸せを望んでいます。ここからずっと…」
私はそう言うと、ニコッと笑う。
「みっくんのために、歌を作りました」
「俺のために…?」
「聞いてください」
私はそう言って、昨日できたばかりのあの曲を歌い始めた。
みっくんの顔を見ながら、笑顔で歌う。
歌っている間頭に浮かぶのは、
みっくんとの思い出。
…初めて出会った、屋上。
「綺麗だね」って言ったみっくんの声が、頭から離れなかった。
黒団の団長さんとして、私たちを引っ張って行ってくれたみっくん。
いつも笑顔で、頼りになるあなたを、
いまでも尊敬してます。
バンドの話を持ちかけてくれた時、
私の歌で感動したって言ってくれたみっくん。
人前で歌うことが怖かった私を、
人前で歌うことが大好きな私に変えてくれた。
私が人前で歌えなくなった理由も、
真剣に聞いてくれた。
涙を流す私に、みっくんはいつもこう言ってたよね。
「笑って、幸望」って…
その時の、優しいみっくんの笑顔が、
いつも私の支えになってた。
みんなで同じ夢へ向かうことが決まったあの日、
私のために歌ってくれたみっくん。
みっくんの歌声を聞くのはその時が初めてで、すごく感動した。
"You Know"は、いつも私を原点にかえらせてくれる。

