「…出来たのか、良かったな」
「はい!ありがとうございます」
「幸望りんよくやった〜♪」
「聞かせてよ!」
翔、亮くん、奏ちゃんが来たので、
私は作曲が完成したことを話す。
「それじゃあ、歌いますね」
私はそう言って、ギターでメロディーを弾きながら歌い始めた。
「〜♪」
歌詞はバラード系だけど、
リズムは少しテンポの良いものにした。
元気を出して、笑ってほしいから、
スローテンポな曲じゃダメなんだ。
目を閉じて、みっくんを思い浮かべる。
さっき散々泣いたはずなのに、
また涙が出てきそうになる。
私の泣き虫。
こんなので、
みっくんの前で、笑って歌えるのかな…
「〜♪」
歌い終えると、拍手が聞こえてきた。
「やばいよ幸望りん……涙出てくる…」
亮くんの目には、涙が浮かんでいる。
「すっごく感動した!」
奏ちゃんの目にも、涙が。
「……」
何も言わない翔の頬には、涙が伝っていた。
「これなら、瑞希にも、ちゃんと届くと思うよ」
という亮くんの言葉に、私の頬にも涙が流れる。
よかった……

