みっくんのアメリカ出発まで、
あと2日。
私は今日も、ライブハウスに2時間早く来ていた。
歌詞を眺めながら、ギターを抱えて
ソファーに座っている。
「〜♪」
昨日できたワンフレーズを、
ひたすら口ずさむ。
不意に、ギターの弦に触れると、
勝手に手が動き始めた。
「〜♪〜♪」
流れるようにメロディーが溢れる。
ああ、やっと。
やっと、みっくんに届けられる。
悲しくないのに涙が出てくる。
「〜♪」
歌い終わった私は、その後も繰り返して歌った。
3人が来るまでに、微調整したり、
ちゃんと覚えたいから。
「〜♪」
どうしようもない思いが止まらない。
みっくんを思えば思うほど、
涙が流れる。
それから先輩たちが来るまで、
歌いながら泣いていた。

