「幸望ちゃんには、絶対いつかバレると思ってた。そしてバレたら、絶対泣くと思ってた。」
「じゃあ何で幸望りんに話さないでくれって頼んだんだよ!」
「……少しでも、バレない可能性があるなら、隠しておきたかったんだ。幸望ちゃん、"自分のせいだ"って、泣いたんじゃない?」
っ!
どうして……?
「その顔は、当たってるな」
そう言ってクスクス笑う声が聞こえる。
「幸望ちゃんからご両親が亡くなった時の話を聞いた時、俺、絶対にこの子の前からいなくならないって、心の中で誓ったんだ。何があっても、幸望ちゃんの側にいるって……。」
「幸望ちゃんの事はすげー好きだし、大切にしたいって思ってる。だけど、付き合うとか、そういうのじゃなくて、幸望ちゃんが落ち着ける場所で、一緒にいてあげたいって思った。」
「……だから余計、話したくなかったのか?」
「うん……。幸望ちゃんに話したら、また自分の歌を聞いたからだって思うだろうし、もう二度と歌わないって言うかもしれないって思った。」
もう、駄目。
流れてくる涙を、止めることができない。
みっくん。
どうしてそこまで、私のこと考えてくれるの?
今一番苦しいのは、自分自身なのに……

