そんな楽しいご飯の日から5日後。


「朝からすみません…」


「…まったくだ。いつもなら今頃寝ている」


「もう10時なのに?」


「翔寝過ぎでしょ」


「俺はいつも7時には起きてるもんねー!」


「…亮二うるさい」


「また俺だけ!?」


朝から相変わらずのテンション。


慣れているはずなのに、緊張のせいか苦笑いをしてしまう。


「それよりどうしたの?」


奏ちゃんにそう聞かれ、更に緊張が高まる。


「えっと、実は……」


すっと息を吸い、先輩たちの顔を見る。


「新曲の歌詞、出来ました!」


私の言葉に、驚く4人。


「早くない!?」


「幸望りんやる〜♪」


「…早く見せろ」


「幸望ちゃんすごいじゃん」


奏ちゃん、亮くん、翔、みっくんが言う。


私はクリアファイルの中に入れていた、


歌詞を書いた紙を渡す。


…の前に。


「…実は、メロディも考えたんです……」


私の勝負は、ここから。


「作曲も…?」


驚いたみっくんの声。


歌詞を書いていると、


自然と口からメロディがこぼれてきて、


いつの間にか一つの曲になっていた。


それなら、私の想いと一緒にこのメロディも聞いて欲しい。


…そう思ってるんだけど、認めてもらえるかどうか………。


「だ、ダメ出しはたくさんしてもらってけっこうなんで、とりあえず聞いてください!!」


私はそう言って、家から持ってきたギターを取り出した。


「幸望りんギター弾けるの?」


亮くんの言葉に、首を縦に振る。


「少しだけで、間違えてばっかりですけど…」


深呼吸をして、『ジャーン』とギターを鳴らす。


私の想い、先輩たちに届け……!


そうして私は息を吸って歌い出した。