…そして夜7時。


「久しぶり〜♪」


「って言っても一週間だけどな」


「だって毎日会ってないとさみしいんだもん」


喜ぶ麻衣ちゃん、ドライなハル、拗ねる智ちゃん。


「みんな忙しいもんね」


私も塾三昧だし、と朱里。


「まあ、今日は勉強忘れて楽しもう♪」


「そうだね!」


麻衣ちゃんの笑顔につられて私も笑顔になる。


それから店員さんを呼び、各々好きなものを頼む。


「ガッツリ食いたいから肉!!」


「よく食べるくせに、どうしてハルはそんなに細いのかね〜」


朱里の言葉にみんなが頷く。


5人の中で一番よく食べるくせに、


5人の中で一番細い。


の割りに、筋肉があって運動神経抜群。


羨ましすぎるよ…


「そういや幸望は、もうバンド一筋?」


朱里に聞かれ、


「まあね」


と答える。


「幸望ちゃんかっこい〜!」


「そんなことないよ?麻衣ちゃんやみんなの方がすごいと思うな」


だって、毎日毎日将来の夢のために勉強でしょ?


私、そんなこと出来ないもん。


「幸望ちゃんだって、夢を叶えるために頑張ってるんでしょ?」


なら、同んなじだよ!と麻衣ちゃんが言う。


「…そう?」


「そうだよ♪」


…嬉しいなあ。


みんなと違って勉強をまったくしてないのに、


そんなこと気にせずにそう言ってくれる。


「ありがとう」


そう言って笑うと、どういたしまして、と麻衣ちゃんが言う。


「それよりバンドの話聞かせてよ〜♪」


「そうそう、幸望からバンドの話全然聞かないしな」


「イケメン4人組と恋愛関係になってないの〜?」


智ちゃん、ハル、朱里がそう言う。