早く写真撮りたいのに…と思いつつ、


ハルのペースに合わせてゆっくり歩く。


「てらもっちゃん絶対怒ってるよ…」


「はいはい。

大丈夫だから」


「もう…

怒られたらハルのせいにするから」


「お好きにどーぞ」


いつもなら言い返してくるハルが、


珍しく言い返してこない。


不思議に思いながらも、教室へ向かう。


もうすぐ着く…ってところで、


教室から朱里が飛び出してきた。


「ゆ、幸望!?」


「え?」


「ハル、もうちょい待って!!」


朱里にそう言われると、


ハルは私を強引に後ろに向かせ、


「幸望、トイレ行きたくない?」


「…え?別に……」


「行きたいよな?」


「え、だから別に…」


「行きたいよな!?」


ハルの鬼のような形相に圧倒され。


「う、うん」


とうなづいてしまった。


仕方なくトイレに行き、


髪の毛を直したりして適当に時間を潰す。