なんとか人を振り切って前に出ると、


近くにいた団長さん達も驚いた様子。


「幸望、お前聞いてたか?」


「き、聞いてない……」


だよな…と言う柳崎くん。


みっくん先輩を見上げると、私に気づいたみたいで。


「それでは俺たちのボーカルに登場してもらいましょう!

 現・黒団団長、青山幸望-!!」


……えぇ!?


急に名前を呼ばれ慌てていると、ステージから飛び降りた翔先輩が、


「早くしろ」


と言って、私の手を掴んでステージの上までひっぱった。


「せ、先輩!!」


ステージから下を見下ろすと、期待しているみんなの顔が見える。


「俺たちからの、ご褒美♪」


マイクを通してない亮二先輩がそう言う。


「ご褒美?」


「今まで団長頑張ったからね!」


「anjelとしての初ライブは幸望のためにやっただろ?

 だから、次は幸望がみんなのためにやるんだ」


みんなの、ために……?