「なんか最近楽しそうだな」


少し低くなった声。


…怒ってる?


でも、どうして?


「うん…楽しいよ?」


私がそう答えると、もっと不機嫌になる翔輝。


「……そうか」


…どうしたの?


なんて言っていいのか分からなくて、沈黙が流れる。


ふと腕時計を見ると、5時半になろうとしていた。


「あ!

 5時半までに提出しなきゃいけないのに!」


忘れてた!


「ごめん、翔輝!

 私行くね?」


私はそう言って、急いで生徒会室へ走っていった。


「………クソッ……

 なんで俺だけ……こんなに……」


そう呟いた翔輝の声は、私には届かなかった。