やっぱり不機嫌…?


「しょう…」


「幸望、いい加減気づいてくれない?」


そう言って顔を近づけてくる翔輝。


「え?」


首を傾げたのと同時に、翔輝の唇が私のものと重なった。


いつもより長くて、頭がクラクラする。


「はぁ…っ……んっ」


息を吸った瞬間に翔輝の舌が入ってくる。


深い海の底にいるような、フワフワした感覚。


意識を手放しそうになったとき、


「早く気づけよ…」


切ない翔輝の声が聞こえた気がした。