「ん?」


少しだけ微笑んで、私を見る。


ああ。


こうやって、たまに見せる優しい笑顔が好き。


「ううん。何でもない」


私も微笑みながら言う。


幸せだなあって、思える瞬間。


そうして私は幸せな気持ちで買い物を終えた。


その、帰り道。


「翔輝くん!」


私達の家の前に知らない女の子が立っていた。


「これ、良かったら食べてほしいなあ」


その子はそう言って、翔輝の腕にひっつく。


まるで私に見せつけるように……


「おい、ひっつくな」


「え~いいでしょ~?」


さっき私がやったみたいな上目遣いをする彼女。