時間になり、私たちは車に乗り込んだ。


たくさん喋って、たくさん笑っていた。


高速を出て、あともう少しで目的地に着くっていうときに。


そう、その時。


悲劇がおこった。


最後に見たのは、お父さんとお母さんの笑顔と、


前から突っ込んでくるトラック。


ただ、それだけ。


気がついたら病院のベッドに寝ていた。


何があったのか、全然理解出来なかった。


隣のベッドで寝ているはずの両親がいない。


その事に気づいたのは、目を覚ましてから2日後だった。


『ねぇ…お父さんと、お母さんは?』


私の様子を見に来た刑事さんに聞くと、


難しい顔をして、そして────


『…………幸望ちゃんのお父さんとお母さんは

 亡くなられたよ』