あの時。


みっくん先輩と話していなかったら、


私は絶対に舞台に立っていなかった。


人の前で歌う勇気なんて、出なかった。


みっくん先輩がいたから………


「……の…………ん、幸望ちゃん?」


「ぇ、あ、ごめん。

 聞いてなかった」


「もー。」


口をとがらせる麻衣ちゃん。


「あのね、今、学祭の打ち上げしよーって話

 してたの♪」


笑顔の智ちゃんと顔を見合わせて笑う麻衣ちゃん。


「クラスで?」


「うん♪」


わ、楽しそう!!


優勝したから、よけいに盛り上がりそう♪♪


「やりたい!♪」


「じゃあ、時間とか決めよーよ♪」


「まずは日にちでしょ、智ちゃん」


「あ、そっか!

 さすが朱里ちゃん♪」


そうしてあっという間に日時と場所が決まった。