10年前 夏

ガンガン照りつける太陽が眩しくて暑くて公園で僕はソーダ味のアイスを食べていた。すぐ溶けるから手はすでにベタベタだ
白いワンピースの少女が満面の笑みでこちらに走ってくる
「ひゃー暑いねー」
そう言って僕は溶けかけのアイスを渡した。
「ありがと!ねぇ、あまり暑いとねっちゅーしょうで倒れちゃうんだってさ」
このときの僕はすでに恋心があったのかもしれない。この少女とは近所ってわけでもないし幼馴染じゃないけど仲が良かっただけど名前を知らなかった。
会った日のことはまだ鮮明に覚えているあの時もこの公園だった。名前もお互い名乗らなかったけどなんだか一緒にいると楽しかった記憶がある。
しかし小学校にあがるという時期に彼女は引っ越した。一緒にいれたのはわずかな時間だった。
引っ越したことを知ったけどまた会えるかもってずっとあの公園に通った。
そして10年後
僕は高1になった。まだ少女に対する淡い恋心は覚めていなかったが半分は諦めていた