「・・・痛いっ」
「我慢しなさい、このくらいの切り傷」
「でも痛いものは痛いんですよ先生~」

私は斗真から逃げてしまった後、
ケガをしていることに気がついて
保険室に来ていた

「はい、これでオッケー。すぐに始業式始まるから、早く体育館に行きなさい」
「はーい。ありがとうございました~」
ガラガラ、トン

ドアを閉めて体育館へ向かう
二年目のこの廊下、
一年生の頃は、斗真とよく歩いてたっけ。
屋上に行く為の道でもあるし、
思った以上に人がよく通る

ガヤガヤ、ガヤガヤ

「あ、桜~、こっちこっち!」
「ごめ~ん、遅れちゃって」
「いいのよ。私達も遅れて今来たところ」
「そっか」

この子の名前は、石山杏那。
斗真同様、幼稚園からの幼馴染みだ。
いっつも斗真に対しての愚痴を聞いてもらっていた

「そういや、今日は旦那と一緒じゃないの?」
「だ、旦那じゃないもん!」
「あんなにイチャついてるくせに~w」
「も~!違うってば~!」
「アハハw」
「むぅ~」

キーンコーンカーンコーン

「始まるから行こ?」
「うん」