心地よい風が私達の髪を揺らす。私は思わず返事をするのを忘れてしまったけど、そんな私の存在を先輩は確認せずに言った。

「…ごめん」

え?
なんで?なにが?
わけがわからなかった。

「…な…なんで?」

私はスカートの裾をぎゅっと握りしめ、先輩の後ろ姿を見つめる。
その後ろ姿はいつもと違った。何かを考えているようで。