私は言葉を続けた。

「…桜田先輩は誰のものでもないと思いますよ。誰が桜田先輩といようったって、あなたには関係ないでしょ、先輩の意思なんだから。あなたが先輩の行動を制限したりとやかく言う権利はない。言ってることわかります?」

松原は舌打ちして相変わらず派手な髪を右手で掻き上げる。

「だったらあんたにもあたしの行動をとやかく言う権利はねぇよな。今あたしがあんたに言ってることだって、全部あたしの勝手じゃねーかよ」

もうやだ、この人馬鹿だ。

「それとこれとは話が別で、私はあなたが迷惑だから言ってるんですけど」