そんな私達の気持ちには気付かずに光貴君は笑顔で話し掛ける。

「偶然だね〜!なんでここに?」
「…そりゃこっちのセリフですよ〜!私ここ地元で」
「そうだったんだ!俺は新井君とお茶しようと思ってさ。俺らの地元の中間だから」

そう言って座っている男に目を向ける。
…思い出した。

「新井君…」
年明けの先輩と新井君のリサイタルのときに会ったんだ。