「どうするって…?」
「やっておきたい箇所。ないの?」
あぁ、やっておきたい箇所ね。
ってすみません、私自分が弾くのに夢中で何も気付かなくて…。

「いや、どうぞ、先輩」
「ふぅん。じゃあー…」

その後は合わなかったであろう場所を数カ所合わせて解散した。

一人になると私は背伸びをして固まった体をリラックスした。
もっと、敵対視されてるかと思った。そりゃ、充分冷たいし無愛想だし無口だし。でも予想よりは意外と大丈夫だった。よかった…