鉛のように重く、思うように動かない指。
それに加え、横に立っている先生の視線を感じてしまってプレッシャーに弱い私はますますミスを連発する。

三度の和音の連続、八分音符の和音…

「はいはい、ちょっと止まって」

ベートーヴェンの「告別」。
「まず最初はもっとこう…」
先生がピアノに座り手本を見せる。