伝音

そのまま通り過ぎたと思ったときだった。

「…風音！」

そう、言われたのは。

私は足が止まらなかった。なんでかわかんない。愛梨が立ち止まってるのもわかった。
桜田先輩に名前を呼ばれたのも。

松原の言ってた色んなことがフラッシュバックする。
私は愛梨立ち止まってる愛梨も置いてかけだした。逃げた。