廊下で会って何も言わずすれ違う。
そんなくらいなら、会わない方がまし。

「あ、桜田先輩だ」
「…………」

愛梨は私の気持ち知らない。
言ったら再認識してしまいそうで、完全に信じ込んでしまいそうで怖かった。

この嫌な感じ。
今から先輩の前を通り過ぎないといけないっていう、嫌な気持ち。
廊下の設置椅子に光貴君と座ってる。