私は急に恥ずかしくなって下を向くと、
「ん」
缶コーヒーを差し出してくる。

「……」
黙ってそれを受け取る。

「欲しいんじゃないの」
…あぁ、そうか、先輩に見惚れてたんじゃなくて、コーヒーが欲しくて見てたんだと思われたんだ。

それもそれで恥ずかしい。
私はそれを紛らわすようにコーヒーを飲んだ。