彼は、歩こうともせずその場に立ちすくんでいる私の手を取った。

「……」

なんで?なんで私達は手を繋いで歩いてるの?
なんで先輩は私の話聞きたくないの?なんで黙るの?
なんで?なんで……

彼女がいるから?他に女の子がいるから?
私のこと、どう思ってるの?

忘れてた松原の存在が頭を支配する。
もうだめだ。わからない。