私は両肩に乗ってる彼の手を自ら取り、握ったまま下に降ろし、寄りかかるように彼の胸に額を預けた。

「……」
かすかに手が握り返される。
離れたくない…。好きだよ…。

「……どした?」

松原のことなんてすっかり忘れてた。
今はこうすることでしか、忘れられないのかもしれない、ごめん、もう少し…。