他の登校中の生徒がどんどん早足で通り過ぎてゆく。

校門をくぐるといつものごとく先生が3人立っていた。先生方はコートのポケットに手を入れ仁王立ちし、背筋をしゃんと伸ばして、
「おはよう!」
この寒い中、誰も頼んでないのに毎日毎日立っていらっしゃる。

「…おはよー」
私は適当に挨拶した。先輩は顔を合わせることもなく会釈だけ…。